ヨガのポーズで腰や足より頭の位置が低くなる逆立ちのようなポーズを「逆転のポーズ」と呼びます。
この逆転のポーズの一種である「鋤のポーズ」は、たくさんの健康増進効果が期待できる、万能ポーズです。
ヨガ初心者には、一見難しそうに見えますが、ポイントを抑えれば大丈夫。
今回は、その鋤のポーズの効果とやり方をはじめ、ポーズを行う上で大事なポイントをお伝えします。
また、無理にポーズを行わないことがヨガでは重要ポイントなので、軽減方法なども紹介していきます。
鋤のポーズの効果
まずは鋤のポーズの効果を見ていきます。
鋤のポーズには、逆さまになることにより、内臓の位置を正常に戻したり骨盤を引き上げたりするなど、次のように様々な効果が期待できます。
内臓機能の促進
鋤のポーズは逆転のポーズ。
逆さまになることで、内臓を正常な位置に戻すことができます。
内臓が正しい位置に戻ることで、内臓機能の正常化につながり、便秘や下半身太りの解消にも効果があります。
また、骨盤への圧迫が緩和されることにより、生理不順の改善も期待できます。
血行促進によりむくみ解消
頭より高い位置に足を置くことで、日常ではあまり使わない筋肉が刺激されます。
それによって血行が促進され、むくみの解消も期待できます。
また、血行を促進することで、冷え性の改善、緩和効果もあります。
体幹が強化される
鋤のポーズでは反動でポーズをとらないようにすることが大事です。
反動を使わないことで体幹を鍛えることができます。
体幹が強化されることにより、姿勢の改善やぽっこりおなかの解消にも効果的。
高いリラックス効果
鋤のポーズでは、上半身と下半身のポジションが逆転する姿勢。
そのため、全身に血流が促進されます。
また、ポーズから仰向けの姿勢に戻ったときに緊張がゆるみ、呼吸が一段と深まります。
そのため、リラックス効果を得ることができるでしょう。
疲労回復
鋤のポーズは難しいポーズで、本当に疲労回復ができるの?と思われがちですが、ポーズ後に心地良い脱力感が味わえるため、疲労回復効果が期待できます。
徐々にポーズに慣れて安定してくると、ポーズをとりながらでもリラックス効果を感じることができるでしょう。
継続することで疲れにくい身体になるため、ヨガの最後にもおすすめ。
自律神経を整える
鋤のポーズは背骨を通る自律神経系にも効果的にアプローチし、バランスを整えてくれます。
自律神経を整えることは、内臓の働き、ホルモンのバランス、血圧や体温など、自分の意思でコントロールできない身体の機能のすべてを整えることにつながります。
不規則な生活や仕事などのストレスにより、自律神経が乱れ、イライラしたり疲れやすくなったりします。
夜に鋤のポーズを行い、自律神経を整え、一日の疲れをリセットしましょう。
肩こりの改善
うなじから背中の上部にかけて大きくストレッチさせることができ、さらに互いの肩甲骨を引き寄せる動きによって、凝り固まった首や肩周辺の筋肉をほぐしてくれます。
デスクワークや家事などで肩こりに悩まされている方にはおススメのポーズです。
鋤のポーズのやり方
鋤のポーズのやり方と順番です。
- 仰向けの状態でひざを立て、手のひらを床につけて体の側面に置きます。
- 息を吸いながら、両足を天井に向けて垂直に持ち上げましょう。
- 息を吐きながら、両足を頭側へとゆっくりと倒していきます。
- 足先は床につけてひざを伸ばしましょう。
- 姿勢をキープしたまま、ゆっくりと呼吸を行います。
- 息を吐きながら、ゆっくりと元の状態に戻します。その際、腹筋を使うように意識しま しょう。
鋤のポーズのポイント
「鋤のポーズって難しいんだけど、何かポイントはあるのかな?」
そのように難しさを感じる方も多いですが、鋤のポーズは、難しいポーズが多い逆転のポーズの中では、比較的難度の低いポーズです。
ポイントを押さえれば美しいポーズで行えますので、次の3点を気をつけて実践してみましょう。
1. 呼吸を止めない
頑張ってポーズをしようとすると息を止めてしまいがち。
ヨガを行う上で呼吸は大事になってきます。
苦しくても呼吸を止めないように気を付けましょう。
息を吐けば自然と息は入ってくるので、息をきちんと吐くことを意識すれば、呼吸は自然とできます。
また、ポーズを取って苦しい場合は、無理せず行わないように注意しましょう。
2. 膝は曲げない
膝を曲げないように足を伸ばすと美しいポーズができます。
両足のかかとは、床に近づけるイメージで伸ばすと、ピーンと綺麗に伸びますよ。
3. 二の腕も使う
足が中々上がりづらいと感じる人は多いと思います。
足を上げるときは、手の平だけを使うのではなく、二の腕の外側で床を押して、肩甲骨を胸のほうへ押すようにすると、足が上がりやすくなります。
鋤のポーズがでお腹が邪魔、息苦しい方へ
「鋤のポーズをやるとお腹が邪魔で息苦しいんだけど、対策方法ってないのかな。」
そのように息苦しく感じるのはなぜでしょうか?
鋤のポーズでは、足を倒す時に背中が丸まっている場合とお腹がぽっちゃりしている場合に息苦しさを感じることが多いです。
背中が丸くなることで圧迫が強くなり、非常に苦しい状態となり、また、逆転するために喉や気管も圧迫されるため息が苦しくなりがちです。
対処法は、足を無理に床につけないで、背中をまっすぐに立てることです。
膝を伸ばした状態が辛い場合には、膝を曲げても大丈夫。
自分が苦しいと思うポーズでは身体を痛めてしまいます。
無理せずポーズを実践していきましょう。
鋤のポーズの後に腰が痛い方への対処方法
「鋤のポーズの後、腰が痛いのだけど、何でだろう。」
鋤のポーズでは前屈になるポーズでもある為、腰痛持ちの方や背中が硬い方などは腰が痛くなってしまいます。
また、鋤のポーズでは身体の重さが背骨周りの筋肉にダイレクトに負荷をかけてしまうため、ポーズが終わった後に違和感を感じることがあるのです。
痛みを緩和するためのポイント
ポーズをしている時に、既に痛みが出ている場合は、足幅を少し広げたり、膝を曲げましょう。
床に足がつかなくても大丈夫。
足を床に置かないことで、安定しない場合は床と足の間にブロックを置くと、安定します。
両手でしっかりと背中を支えましょう。
ポーズが終わった後に痛みがある場合は、魚のポーズを行うと良いです。
それでも痛みが出る場合は、橋のポーズを実践してみましょう。
まとめ
鋤のポーズをするとき、肩から背中までがまっすぐに伸びていることが大切です。
しかし、無理して行って息苦しさを感じたり、身体に痛みが出てしまっては元も子もありません。
また、食後、すぐに行うのは避け、ポーズをとっているときは、首は絶対に左右に動かさないことが注意ポイントです。
自分が心地良いと思うポーズで行い、身体に合わせて楽しみましょう。
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