ヨガの基本のポーズである「合蹠のポーズ」は、股関節の柔軟性をアップさせる代表的なポーズ。
合蹠のポーズでは、骨盤を刺激することで血流が促され、腎臓や膀胱、前立腺などの泌尿器系の働きを整える効果も期待できるといわれています。
ここでは、合蹠のポーズの効果ややり方をはじめ、ポーズを行うときのポイントや膝が床につかない方向けの原因と解決方法を紹介していきます。
合蹠のポーズの効果
合蹠のポーズは骨盤周りの筋肉をほぐし、特に股関節や仙腸関節を柔らかくします。
筋肉がほぐれることで血流が促進され、骨盤周辺が温められます。
また、尿疾患の予防や生理痛の緩和など、下腹部の臓器の働きを調整するさまざまな効果も期待できるポーズです。
では、合蹠のポーズで得られる効果について、さらに詳しく見ていきましょう。
股関節の柔軟性アップ
合蹠のポーズは、骨盤や腹部、背中に刺激を与えながら、股間節の柔軟性を高める効果が期待できます。
また、ヨガのポーズには股関節を大きく開くポーズが多いため、そのほかのヨガポーズもとりやすくなるでしょう。
ランニングなどをする人は股関節の柔軟性が向上すると、より長い距離を走ることができるので、ランニング後の疲労も軽減にも役立ちます。
合蹠のポーズを続け、股関節が硬い人も股関節をやさしくほぐしましょう。
骨盤のゆがみの調整
日頃、足を組んだり、姿勢が悪いまま座っていたりすると骨盤のゆがみやずれが生じてきてしまいます。
骨盤がゆがみ、股関節の動きが悪くなると、内臓にもねじれが生じて内臓機能の低下や血流の停滞の原因になる可能性も。
そのため、骨盤のゆがみやずれを整えることで、周辺の関節だけではなく内臓機能を正常にする効果も期待できるのです。
泌尿器系の機能改善
合蹠のポーズは、泌尿器系の機能調整や改善効果も期待できます。
前立腺や膀胱の働きを整え、月経不順の改善や予防などにもつながるといわれています。
血流の促進
合蹠のポーズは、骨盤周辺の筋肉をほぐすことができます。
骨盤周辺の筋肉が硬くなっていたり、内臓がねじれたりして血液の循環が滞っていると、新陳代謝も悪くなってしまいますよね。
その結果、体の疲労感やだるさが解消されにくくなったり、肩や首、腰などに凝りや痛みを抱えやすくなったりします。
生理痛の緩和
女性は生理痛や月経不順、冷え性といった不調にも悩まされている方も多いですよね。
姿勢が悪くて骨盤がゆがんでいると、骨盤内の血流が滞りやすくなり、生理痛の原因になると言われています。
骨盤を調整し、筋肉をほぐすことで体の血流を促進し、このような不調の改善や予防にもつながります。
生理痛で悩んでいる人は、日頃から合蹠のポーズを取り入れて骨盤まわりのケアをしてみましょう。
下半身の血流を良くし、むくみを防ぐ
合蹠のポーズでそけい部がストレッチされると、そけい部に集まるリンパの流れが促されます。
リンパの流れがスムーズになると、余分な水分や老廃物を排出しやすくなり、むくみを防ぐことができます。
また、血流が良くなると、消化機能を高めてくれます。
消化機能が向上することで、便秘の解消、体内の老廃物の排出、栄養の吸収を良くするなど、様々な面で効果があります。
リラックス効果
合蹠のポーズで、血流がよくなるとリラックス効果も期待することができます。
下半身の筋肉がほぐされ、骨盤の歪みが整えられると、血流がスムーズに。
そうすると体温が上がり、副交感神経が刺激されてリラックスできるのです。
特に仰向けで寝ながら行うポーズは、リラックス効果が高いので、寝る前にベッドの上で行うとリラックス効果でぐっすり眠れるでしょう。
【できない人必見】合蹠のポーズのやり方 ~ 座位バージョン&仰向けバージョン ~
合蹠のポーズは座って行う座位バージョンと、仰向けで寝ながら行うバージョンがあります。
それぞれ順番に見ていきましょう。
合蹠のポーズやり方 ~座位バージョン~
- 両ひざを立てて座り、両ひざを左右に開きます。
- 足の小指がつくように足の裏同士を軽く合わせましょう。
- 両足の親指をつかみながら、脚を体に引き寄せます。
- 足を押さえて背筋をしっかりと伸ばしましょう。
- 息を吸って頭頂部を引き上げ、腰、背中をまっすぐ伸ばします。
- 背筋を伸ばして足の親指をつかみ、息を吐きながら頭を前に倒しましょう。
- 体を曲げたまま止まり、深呼吸を繰り返します。
- 体を元の位置にゆっくりと戻しましょう。
合蹠のポーズのやり方 ~仰向けバージョン~
- 仰向けになり両ひざを立て、足の裏を合わせます。
- 両膝を左右の床に近づけるように開きましょう。
- 両手は体側、またはバンザイをするような形に上げて3〜5呼吸します。
合蹠のポーズのポイント
合蹠のポーズは、朝起きた時、夜寝る時に行い、毎日継続するのがおすすめ。
合蹠のポーズのやり方を確認した後は、効果的に行うためのポイントを見ていきましょう。
頭を倒すときも背筋はまっすぐ
頭を倒し、身体を丸める時も背筋は丸めずにまっすぐに伸ばすことが大事。
座った状態で腰が丸くなってしまう場合は、お尻の下に折り畳んだクッションやブランケットを敷いてみてください。
背筋がまっすぐになることで呼吸の通りが良くなり、スムーズに呼吸をすることができます。
また、下半身や股関節も伸ばしやすくなります。
無理をしない
無理して体を伸ばそうとせずに、心地良くストレッチすることを心掛けましょう。
体が硬い人の場合、足の裏を合わせるときにひざが床から離れてしまいがち。
しかし、最初はそのままでも大丈夫です。
痛みや辛いのを我慢して床につけようとはせず、できる範囲で行いましょう。
また、股関節が硬いと両方のかかとを合わせることが難しい場合もありますが、こちらもできる範囲で問題ありません。
次に紹介する「できない方の原因と解決方法」を参考にして、ポーズを実践してみてくださいね。
【できない人必見】合蹠のポーズで膝が床につかない人の原因と解決方法
合蹠のポーズができないケースで多いのが、両膝を開くのが辛いというケースです。
この場合は、股関節が硬いことが原因の一つ。
両膝を開いたとき、膝が床から拳1個以上のスペースが空いていると股関節が硬くなっている可能性が考えられます。
股関節の硬さが原因の場合は、下記4つの解決方法で股関節の柔軟性をアップさせましょう。
- 足裏を置く位置を身体から遠くにするなど調整してみる。
- 足の親指同士を離し、足裏を軽く左右に開く。
- ヨガブロックやクッションを両膝の下に置く。
- 股関節ストレッチポーズを取り入れる。
ヨガは心地よさを感じることが一番大事。
無理をして辛い・きついと感じるところまでポーズを取る必要はありません。
合蹠のポーズで股関節が心地よく伸びるのであれば、膝が床につかなくても大丈夫です。
自分が一番気持ちよく感じるポーズを取りましょう。
まとめ
合蹠のポーズは様々な効果を感じられるポーズです。
股関節が硬い人は難しいなと感じ、辛く、痛みが出ててしまうかもしれません。
まずは、無理をせずに、合わせた両足を体から遠い場所に置いて、まずは後ろに倒れた骨盤を起こす練習から始めてみましょう。
毎日おこなうことで、股関節の可動域が少しずつ広がり姿勢も良くなり、合蹠のポーズもスムーズに行うことができます。
日常にヨガを取り入れて健康な身体を手に入れましょう。
スポンサーリンク
コメント