健康法として定着したヨガですが、ヨガには様々なポーズがあります。
始めてみると、中には得意なポーズ、苦手なポーズ、呼吸を意識しやすいポーズなど、色々とあると思います。
では、バランス系のポーズはどうでしょう?
片足で立つ事が多く「不安定なので苦手」という方が多いです。
「頑張ってもなかなかバランスが取れない」
「片足でバランスを保つことができない。」
この記事ではこういったお悩みを持つ方に是非、見て頂きたい内容になっています。
できないということには原因があり、クリアするためにはいくつかのコツがあります。
- 不安定な状態から安定へ。バランスポーズを安定させるコツ
- ポーズの完成系に向けての練習法や、必要な筋肉をつけることを目指していく簡単なトレーニングの方法
- コツを意識しながら見て頂きたい代表的なポーズ3つ
これらについて紹介していきます。
ポーズを完成系にするコツをマスターしていきましょう。
バランスポーズを安定させるコツ
バランスポーズを安定させるためのコツは、次の7つです。
- 視線を動かさない
- 集中力を高める
- 片足で立つポーズの時は下肢に意識を飛ばす
- 丹田(おへその下)への意識を高める
- 足裏にバランス良く荷重をかける
- 正しいアライメント(姿勢)で行う
- ヨガマットを使う
1つずつ見ていきましょう♪
1. 視線を動かさない
視線をキョロキョロ動かしていませんか?
視線が定まらないとポーズも集中力も下がり、バランスをとる事が難しくなります。
視線を1点に集める事でポーズの意識が高まり、完成度アップに繋がっていきます。
指導者がいる場合、特にバランス系のポーズは視線の指示が入ります。
例えば英雄のポーズ3であれば、「視線は手の指先に…」と言う感じで。
可能であれば、その指示通りに視線を合わせて見ましょう。
2. 集中力を高める
ポーズをとる時に呼吸が乱れていませんか?
苦手なポーズや出来ないポーズをする時には心が乱れやすくなり、呼吸の乱れが生じます。
呼吸が乱れると意識は散漫になりがちになり、集中力が下がっていきます。
ヨガをする時は、仕事や日常生活からの喧騒から離れて、自分自身を見つめ自分と向き合う時間にしていきましょう。
自身を見つめ、呼吸を整える事でポーズの集中力アップに繋がっていきます。
3. 片足で立つポーズの時は下肢に意識を飛ばす
「片足でどうしても立つことができない…」
そんな時は下半身に意識を飛ばしてみましょう。
足裏、膝の伸び、骨盤の傾きなど、意識を下半身に飛ばすだけでも、ぐらつきは減ります。
土台となる下肢がほんの少し安定するだけでも、ポーズの完成度が高まります。
元々ヨガでは内面に意識を向ける事を説いているため、鏡を置いていないヨガスタジオも多いですが、鏡がある場合は鏡を通して下半身に視線を集めると良いでしょう。
下半身であればどこでも大丈夫ですが、「一点集中」を忘れないようにしましょう。
4. 丹田への意識を高める
丹田はおへそから指3、4本分下にあります。
丹田の意識が高まることで姿勢も良くなり、集中力も高まります。
丹田への簡単な意識の向け方のポイントは、ヨガレッスン開始後すぐにあります。
どういう事かというと、ヨガを行う際、前半は座位の姿勢で体をほぐす所からスタートしていきますよね。
安楽座(踵と踵をクロスして座る座法)で座った時に骨盤の状態はどうなっていますか?
後ろに傾いたり(骨盤後傾)、反り腰(骨盤前傾)になったりしていませんか?
この骨盤を床に対して垂直にし、骨盤のポジションを整えます。
骨盤のポジションが良くなると自然におへその下、丹田へ意識が飛びやすくなるのです。
ヨガを行う時は、常に丹田への意識を持つようにしましょう。
そのためにも、まずは開始から終盤まで、骨盤のアライメント(正しい姿勢)に気をつけてみましょう。
5. 足裏にバランス良く荷重をかける
普段良い姿勢で立っていると思っていても、普段からのアライメントや癖で重心が不安定になり、良い姿勢で立てていない事が多いです。
バランス良く荷重をかけるには足裏へ意識を飛ばし、足指5本ともに開きます。
足裏全体(足指から踵にかけて)で大地を踏みしめる様に地面をキャッチしていきます。
日常生活の歩行の際も、バランス良い荷重ができているかどうかを意識してみましょう。
6. 正しいアライメントで行う
何よりもこれが大事です。
アライメントはざっくり言うと「姿勢」の事で、骨格筋の配置を意味します。
正しいアライメントでポーズを行う事で、安全で効果的なポーズをとる事が出来ます。
では「正しいアライメントとは何か」というと、
立位で体を横から見て、次の5点が一直線上にあることです。
- 耳たぶ
- 肩の中央(肩峰)
- お尻の真ん中(大転子)
- 膝のお皿の後方
- 外踝(くるぶし)の少し前
例えば、
「背筋を伸ばし、真っ直ぐ立つ」という時に腰が反っていたり、踵重心になっていれば、それはもうアライメントNGです。
アライメントも視線と同様に指導者から指示が入ります。
可能な限り、その指示通りに体をコントロールし、「耳たぶ〜外踝」全てのポイントを揃えるのが厳しい場合は、「耳、肩峰、大転子」の3点だけでも意識してみましょう。
7. ヨガマットを使う
ヨガマットは滑りにくく、踏ん張りがききやすい為、足裏全体のマットを捉える力がアップし、安定感を格段に上げてくれます。
バランス系のポーズは足裏の安定も非常に重要です。
是非ヨガマットを使ってみましょう。
いかがでしたでしょうか?
柔軟性や骨格の問題もありますが、この中の1つでも欠けるとバランス系のポーズは完成度が格段に下がります。
しかし視点を変えてみると、ゼロの状態から上記のコツが1つでも出来る事で変化が感じられる様になるということです。
簡単なものからトライしてみましょう。
バランスポーズの練習法・体幹トレーニング法
バランスポーズで必要になるトレーニングは体幹トレーニングです。
体幹は読んで字の如く、体の幹になる部分を指します。
体幹=コアとも呼ぶ事も多く、コアトレーニングとも言われています。
体幹トレーニングで鍛えられる部位は「インナーマッスル」。
インナーマッスルは体の深層部分にある筋肉の名称です。
このインナーマッスルを鍛える事でバランス系のポーズを攻略していく近道になります。
トレーニング方法は沢山ありますが、ここではメジャーで継続しやすい次の2つを紹介します。
- ドローイン
- プランク
1つずつ「やり方」「コツ」「効果」について見ていきます。
1. ドローイン
場所を選ばないので、自宅、通勤中、どこでも実施可能なトレーニングです。
簡単なトレーニングNo.1かもしれません。
初心者の方、低体力な方にオススメです。
体幹トレーニングの核になる部分
インナーユニット(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群)を鍛えます。
やり方
仰向けに寝て、足を腰幅に開き、膝を90度にします。
息を吐き切ってから、吸う息でお腹を膨らませていきます(お腹に指先を置くと膨らみが感じられやすいです)。
入れた空気をお腹で数秒留めて、吐く息に合わせてゆっくりとお腹を凹ませていきます。
息を吐ききってから、更にお腹が凹んでいる状態を数秒、慣れてきたら30秒ほどキープします。
腰とお腹が着くイメージで、しっかりと息を吐き切ることがポイントになります。
座位、立位、四つん這いでも実施可能です。
トレーニングのコツ、注意点
- 風船に入れた空気を抜いていくようにイメージして行う
- 食事後すぐのトレーニングはNG。
効果
ドローインには次のような効果があります。
- 腹圧を高める
- 姿勢の改善
- インナーマッスルを鍛えることができる
- 腰痛予防
- お腹ポッコリ解消(ダイエットにも効果的)
色んな効果が期待でき、しかも道具もいらず簡単にできるので、ぜひ試してみてください♪
2. プランク
体幹トレーニングといえば「プランク」です。
最近ではメディアでもよく見かけるようになりました。
プランクは静止した状態で行います。
ドローインと同じく、自宅でトレーニング可能です。
シンプルな為、楽に見えるかもしれませんが、そんなことはありません。
強度変換はできますが、全身を使用する為、正しい姿勢で行うと短い時間でもかなり強度の高いトレーニングになります。
低体力な方、筋力不足な方は膝をついて行うことをお勧めします。
股関節の下に膝を置く所からスタートして、その膝の位置を後方に徐々に遠ざけることで強度が上がっていきます。
膝の位置を変えながら調整していきましょう。
やり方
四つん這いの状態から前腕(手首から肘にかけての部分)を下に置きます。
脚は後方に伸ばしてお尻の幅に開き、膝を浮かせて背中と床を平行にします。
お尻が下がったり、逆に浮いてしまったりする事が多いですが…これはNG❌です
お尻が下がる場合は腹直筋に意識を飛ばします。
お尻が上がる場合は大臀筋の引き締めを行いましょう。
トレーニングのコツ、注意点
プランクを行う時のコツと注意点です。
- 全身トレーニングなので、体全体にフォーム維持の意識を飛ばす
- 正しいフォームで行わないと腰痛などの怪我に繋がる恐れがある
- 呼吸を止めない
- あごを引く
- 前腕、手のひらに力を入れ過ぎない
効果
プランクには次のような効果が期待できます。
- インナーマッスルを鍛えられる
- ダイエット効果が高い
- スポーツパフォーマンス向上
- 腰痛予防
こんなに簡単なポーズなのに、色々な面で効果を実感できるトレーニングですね♪
おすすめのバランスポーズ3選
すでにレッスンなどで取り組んでいるバランスポーズもあると思いますが、ご自宅などで行う時におすすめのバランスポーズを、最後に3つ紹介しておきます。
- 木のポーズ
- 英雄(戦士)のポーズ3
- 半月のポーズ
1つずつ「やり方」「コツ」「効果」について見ていきましょう♪
1. 木のポーズ
やり方
基本姿勢(タダ・アーサナ)で立ち、左足裏を右足の内側につけます。
足をつけるポジションは安定しやすい場所ならどこでも大丈夫です(鼠径部、内腿など)。
胸元で合掌し、息を吐き、吸う息で頭の上までゆっくり引き上げ、肘は伸ばしておきます。
足裏全体で床を捉え、背骨の伸びや呼吸のしやすさなどを感じます。
吐く息で胸元迄下ろしていきます。
しっかり息を吐き切る事で腹圧の高まりも感じられます。
上下動3往復を目安に行い、終わったら逆足側も同様に行います。
ポーズのコツ&注意点
コツと注意点です。
- 丹田への意識を高める
- 片足が厳しい場合は両足を床につけた状態で行う
- 挙上した時に肩に痛みがある場合、肘を曲げるなどの軽減法を
効果
効果は主に次の4つです。
- 脚力の強化
- 肩こりの改善
- 呼吸がしやすくなる
- 集中力を高める
2. 英雄(戦士)のポーズ3
やり方
基本姿勢で立ち、胸元で合掌を行います。
左足を後ろに引き、背筋を伸ばします。
吸う息で合唱の手を頭の上まで引き上げ、息を吐きながら上半身を前に傾けていきます。
左脚は後方に伸ばし、頭から左脚までが床に対して水平になるようにします。
上半身を起こし基本姿勢に戻ります。
逆も行いましょう。
ポーズのコツ&注意点
コツ&注意点は次の通りです。
- 不安定な場合、後ろ足の指先を床に置き、上半身の傾きを調整する
- 軸足をしっかり伸ばす
- 肩、腕に力を入れ過ぎない
効果
英雄のポーズで期待できる効果は次の4つ。
- 丹田への意識を高める
- 脚力の強化
- 心身の安定と調和
- 集中力が高まる
3. 半月のポーズ
やり方
基本姿勢(タダアーサナ)から右脚を後ろに引き、右手は腰に。
左の手は左の足の二十センチ程前の床に置きます。
左手と左足に重心を乗せながら、息を吸い、吐きながら右足を床から離して水平まで持って行きます。
軸になる左足は真っ直ぐに伸ばし、足指は遠くに伸ばすイメージです。
右手を腰から離して 指先を右肩の真上、 延長線上に持って行きます
顔、両胸、おへそ、右膝を右の方向に向けてキープして行きます。
両手をつき、体を起こしたら、逆も行いましょう。
ポーズのコツ&注意点
ポーズのコツ&注意点は次の4点です。
- 丹田への意識を高める
- 軸足をしっかり伸ばして行う
- 初心者の方は両手をついて下向き軽減で行う
- ヨガブロック(サポートツール)を下に置きながら行う
効果
半月のポーズで期待できる効果は次の3つ。
- 集中力アップ
- 下半身の筋力強化
- 心身の調和と安定
まとめ
いかがでしたか?
早速明日から押さえたコツ、トレーニングを無理の無い範囲で実践してみましょう。
優れた指導者やヨガの達人の方でも、最初から上手くポーズが取れていたわけではありません。
日々の鍛錬、毎日コツコツ継続をしていくと言うことがとても重要です。
練習に疲労を感じた時は、瞑想することをお勧めします。
瞑想はヨガのレッスンの前半、もしくはラストに行うことが多いです。
自分自身と向き合う時間を作る事で、練習、トレーニングで疲れた心のリセットをしていきます。
無理をせず、ポーズの軽減などを上手く活用し、できることを増やしていきましょう。
スポンサーリンク
コメント