バインドという言葉をご存知ですか。
バインドは「結ぶ 」、「縛る」という意味を持ち、
ヨガで使うバインドは、「手を握り合わせる」になります。
ヨガのレッスンを受講していると、バインドを使うポーズも度々登場します。
しかし、バインドを含むポーズは、
「簡単にできます!」
とは言いづらく、初心者の方には少しハードルが高く感じるかもしれません。
できない…でもトライしてみたいですよね♪
- バインドポーズなぜ出来ない?
- バインドポーズのやり方とコツ
- バインドの完成度を高める予備ポーズ
この記事では、バインドを入れたポーズを例に挙げ、解説を入れながら完成形に繋げていきます。
バインドポーズが苦手な方には必見の内容です。
問題を一つずつクリアし、ポーズを完成させていきましょう。
バインドポーズができないのはなぜ?できない理由と対策
バインドポーズ攻略には、まず体の動きを知ることから。
「なぜできないのか?」
ポーズが完成しない時には必ずブレーキをかけている部位が存在します。
ではその部位は一体どこにあるのでしょうか?
原因を探るべく、ポーズの攻略にはまず、体の動きを知ることから始めていきましょう 。
ポイントになるのは、次の4つ。
- 肩関節、肩甲骨
- 股関節
- 柔軟性
- 筋力不足
1つずつ見ていきます。
1. 肩関節、 肩甲骨
バインドポーズの多くは肩関節、肩甲骨が大きく関与します。
特に肩甲骨。
背中の上方にある鳥の羽のような形をしていて、上半身の動作のポイントになる大きな骨です。
しかし、その肩甲骨周辺がガチガチに硬くなっている方が非常に多く、無理に腕を動かしてしまうため肩関節にストレスをかけてしまいがちです。
肩甲骨を体の中心に引き寄せる内転動作、肩甲骨を外に開く外転動作。
この肩甲骨の内、外転動作がスムーズになることで肩関節の負担が減り、可動域も広がりやすくなります。
2. 股関節
立位でバインドポーズを行うことも多いため、股関節周辺がほぐれていないと怪我のリスクが上がってしまいます。
ハムストリング、大臀筋、中臀筋、腸腰筋、内転筋群などの股関節周辺を前半に十分ほぐしておく必要があります。
3. 柔軟性
ポーズは上半身と下半身の連動で行う為、やはり肩関節、股関節以外も可動域はあった方が良いです。
入浴後、可動域の低い部分を無理のない程度にストレッチするようにしてみましょう。
4. 筋力不足
立位のバインドポーズは、下半身の安定もポーズの完成に必要になってきます。
両足裏にバランスよく体重を乗せていくため、ポーズをキープする筋力が無い場合、怪我に繋がる可能性があります。
下半身をダイナミックに使う「英雄のポーズ2」などで、まずは下半身の安定を図っていきましょう。
バインドポーズのやり方とコツ
では、できない理由が分かったところで、早速実践してみましょう。
ここでは次の2つのバインドポーズについて紹介します。
- 賢者のポーズA(マリッジ・アーサナA)
- 背中で手を掴んで体側を伸ばすポーズ(バッダ・パールシュバ・コナ・アーサナ)
カタカナの表記名はインドの古い古語、サンスクリット語です。
1つずつ見ていきましょう♪
1. 賢者のポーズA(マリッジ・アーサナA)
ポーズのやり方
- 長座の姿勢を取り、右膝を曲げて、踵を右のお尻に近づけていきます
- 右手を前方から後方に回し、右肩を内側に少し捻りながら(内旋させる)、 左手も背中に回し、両手を組み合わせます。左側の肩甲骨をしっかり内転させて行う事。
- 背骨を天井に引き上げて、吸う息で両胸を開き、吐きながら上半身を前屈させていきます。額とスネを心地よい伸びが感じるところまで近づけていきます。
- 数秒呼吸を繰り返し、息を吐き切ってから、吸う息で顔を上げ、長座の姿勢に戻します。逆側も同様に行います。
ポーズのコツ・ポイント・注意点
- 前方に伸ばした膝を曲げないように注意しましょう。
- 手が後ろで組めない場合、タオルや、もしあれば、ストラップ(ポーズの補助道具)を利用します。
- 前屈が厳しい場合は、ほんの少し体を倒す程度にします。
効果
- 骨盤、腹部の血行を活発にする
- 腹部の引き締め
- 便秘の改善
- 肩こり改善
- 腰痛の緩和
2.背中で手を掴んで体側を伸ばすポーズ(バッダ・パールシュバ・コナ・アーサナ
体側を伸ばすポーズ(ウッティタ・パールシュバ・コーナ・アーサナ)からのバリエーションとして取り入れられることが多いポーズです。
ポーズのやり方
- 基本姿勢(タダ・アーサナ)で立ち、左足を後ろに引き(約1m後方)、右踵と左の土踏まずを一直線上に置きます。
- 両胸とおへそを左の方向に向けて、両足前後にバランスよく体重を乗せます。
- 右膝を90度に曲げ、太ももと床を平行にし、右膝がかかとの真上に来るようにセットします。
- 両手を腰にセットし、吸う息で両胸を開きます。息を吐きながら上半身を右に傾け、右脇腹を右の太ももに付けながら、右足の小指の横に右手を置きます。
- 左肩が前に落ちないように左鎖骨を開き、左肩甲骨を内転させていきます。
- 左手の甲を 右のお尻に近づけていき、できるだけ右膝に近づけてみます。
- お尻をしっかりと落とし、右手を両足の間に差し込みながら後方で両手をバインドさせます。
- 吸う息で 左の鎖骨、胸を開き、吐きながらお尻を前に突き出していきます。肘と膝で押し合うようなイメージで行い、股関節をしっかり外転させて、膝が内側に入らないように気をつけます。
- 数秒キープをして、両手を吸う息で体を起こして行き、吐き切って基本姿勢に戻ります。逆側も同様に行います。
ポーズのコツ・ポイント・注意点
- 下半身を痛めている場合は無理をせず 、下の手を肘に置き換えて太ももの上に置き、上の手を背骨に沿わせて軽減をします
- お尻は落としますが後方に突き出さない事と、上半身は落とし過ぎない様にするのがポイントです
- 難易度の高いポーズなので決して無理はしないように
効果
- 下半身の安定、強化
- 肩こりの緩和
- ウエストのくびれ
- バランス感覚、集中力アップ
バインドポーズの完成度を高める予備ポーズ
バインドポーズに入る為の準備ポーズになります。
この予備ポーズをしっかり行うことで、バインドポーズの完成形に近づけていきます。
3つ紹介しますね♪
- 体側を伸ばすポーズ(ウッティタ・パールシュバ・コーナ・アーサナ)
- 側面を強く伸ばすポーズ(パールシュヴァッターナ・アーサナ)
- 英雄のポーズ2(ヴィラバトラアーサナ2)
それぞれのポーズを詳しく見ていきましょう。
-
体側を伸ばすポーズ(ウッティタ・パールシュバ・コーナ・アーサナ)
主に、「背中で手を掴んで体側を伸ばすポーズ」の前に行います。
ポーズのやり方
- 基本姿勢(タダ・アーサナ)で立ち、左足を後ろに引き(約1m後方)、右かかとと左の土踏まずを一直線上に置きます。
- 両胸とおへそを左の方向に向けて両足前後にバランスよく体重を乗せていきます。右膝を90度に曲げて、太ももと床を平行にし、右膝がかかとの真上に来るようにセットします。
- 両手を腰にセットし吸う息で両胸を開き、吐きながら上半身を右に傾けて脇腹を右の太ももに付けて、右足の小指の横に右手を置きます。
- 左肩が前に落ちないように左鎖骨を開き、左肩甲骨を内転させていきます。吸う息で左の手を回し上げて、 左肩の斜め延長線上に指の先を持って行きます。左耳に左上腕が近づくようにしてみましょう
- 吸う息で上半身を引き上げて吐きながら基本姿勢に戻っていき、逆側も行います。
ポーズのコツ・ポイント・注意点
- 厳しい場合は下の手を肘に置き換え太ももの上に置く、軽減を行う
- 上部の鎖骨を開く、上部の肩甲骨の内転動作がポイント
効果
- 下半身の安定、強化
- 肩こりの緩和
- 股関節周辺の柔軟性が高まる
2. 側面を強く伸ばすポーズ(パールシュヴァッターナ・アーサナ)
ポーズのやり方
- 基本姿勢(タダ・アーサナ)で立ち、腰の幅程度に足を横に開きます。
- 左足を後方に引き(約1 M)、 おへそと両胸を正面に向けます。
- 両手を背中に回して両手の平を合わせます。(合掌)吸う息で胸を開き、吐きながら 前屈していきます 。
- 背中と床を平行にして一呼吸おき、余裕があれば更に額とスネが近づくように前屈を深めていきます。
- 息を吐ききり、吸う息で上半身をゆっくりと引き上げて、左足を元のポジションに戻し基本姿勢に戻ります。逆側も同様に行います。
ポーズのコツ・ポイント・注意点
- 前足の膝は伸ばして行うこと
- ハムストリングの張りがキツイ場合は無理をせず少し手前でキープをする
- 両手の合掌がきつい場合は両腕を伸ばし両手をバインドさせて行う
効果
- 肩の柔軟性を高める
- 肩こりの解消
- ハムストリングの柔軟性を高める
3. 英雄のポーズ2( ヴィラバトラアーサナ2)
ポーズのやり方
- 基本姿勢(タダアーサナ)で立ち、両足を腰幅に開きます。
- 左足を後方(約1 m)に引き、 踵を少し内側に入れ、右足の踵と左の土踏まずを一直線上に結びます。
- 両腕を前後に開いて肩の延長線上に指の先が来るようにセットし、視線を右手の指の先におきます。
- 吸う息で両胸を開き、背骨を天井に向けて引き上げ、息を吐きながら右膝を90度を目安に曲げていきます。
- 股関節を外転させて右膝を正面に向けておき、両足裏でしっかりと床を捉えていきます。
ポーズのコツ・ポイント・注意点
- 前傾姿勢にならないようにする(頭の頭頂部を尾てい骨の真上におきます)
- 膝や股関節に痛みがある場合は膝の角度を緩める
- 肩が辛い場合は両手を腰に当てて下半身にポイントを絞ります
- 開脚をしている足の間にお尻を真っ直ぐ落とすようにするのがポイント
効果
- 下半身の安定、筋力アップ
- 股関節の柔軟性を高める
- 集中力高める
- 肩こりの緩和
まとめ
バインドポーズを完成させるにはコツコツとした積み重ねが大事です。
積み重ねたものが形になった時、大きな気持ちの高揚と達成感を得ることができます。
しかし難易度、強度ともに高いポーズは怪我のリスクも上がります。
無理をしないことが大前提です。
ほぐしと完成度を高める予備ポーズをしっかりと行い、完成に近づけていきましょう。
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