ヨガにはたくさんの呼吸法が存在しますが、その中の1つに片鼻呼吸法があります。
片鼻呼吸は主にリラックス系のヨガのレッスンで行われることが多く、心も体も非常にスッキリさせてくれます。
しかし一般的にはあまりメジャーな呼吸法ではない為、
「呼吸のやり方は…?」
「片鼻呼吸の効果ってどんなものがあるの…?」
この様に思われている方もいるでしょう。
この記事では片鼻呼吸について、
- 片鼻呼吸とは
- 片鼻呼吸の効果
- 片鼻呼吸のやり方・コツ・注意点
この3つを詳しく解説をしながら疑問点にも答えていきます。
見た目はとても静かで地味な呼吸ですが、正しいやり方で呼吸を行う事で多くの素晴らしい効果を得ることができます。
その効果、やり方を一緒に見ていきましょう。
まずは片鼻呼吸とは何か、の解説からです。
片鼻呼吸法とは
片鼻呼吸って聞いたことはあるけど実際はどのようなものなのでしょう?
この章では片鼻呼吸とは何?というところから、なぜこの呼吸を行うのかという目的までを解説していきます。
片鼻呼吸とは何か
片鼻呼吸法はインドの古語、サンスクリット語でナディ・ショーダナと言い、数多くあるヨガの呼吸法の1つです。
字の如く片鼻の呼吸です。
指で片方の鼻を押さえて、もう一方の鼻で呼吸を行います。
片鼻呼吸を行う目的
「右鼻の呼吸」は日中優位な「交感神経」、「左鼻呼吸」は夜間、就寝時に優位になる「副交感神経」に働きかけてくれると言われています。
片鼻呼吸の目的は、乱れがちな体内のエネルギーバランスを調整し、自立神経を整えて行く事です。
毎日、ほんの数分の片鼻呼吸を行うことが、
「今日は左の鼻がいつもよりつまっているから、疲労が抜けていないのかも…」
このように、 健康チェック・バロメーターとしてその日の体調を確認することも可能にしてくれます。
また、外側に拡散してしまった意識を中心に集め、瞑想に入りやすい状態にしてくれるとも。
忙しくストレスにさらされている現代人は、自律神経のバランスが乱れがち。
片鼻呼吸はこのように自律神経のバランスを整え、心と体を癒したい方におすすめの呼吸法でもあります。
自律神経の調整が目的の片鼻呼吸ですが、この呼吸には自律神経を整える以外にあまり知られていない驚きの効果が。
次の章ではその効果を詳しく解説していきます。
片鼻呼吸法の効果
片鼻呼吸は短い時間でも効果を感じることができます。
この章では、片鼻呼吸によって得られる次の5つの素晴らしい効果について、詳しく紹介していきます。
- 呼吸量の増加
- 集中力が高まる
- リラックス効果
- 睡眠の質の向上
- 鼻づまり改善
1.呼吸量の増加
呼吸量が増えることによるメリットは沢山あります。
呼吸量が増える事で、取り込める酸素摂取量が増えていきます。
酸素量が増えることで考えられるメリットの1つに、疲労物質や乳酸の除去があります。
酸素には、疲労物質の原因と言われている乳酸をガスと水に分解して、体外に排出していくという効果が。
さらに片鼻呼吸は脳への酸素も増やし、酸素量が増える事で、首から上の血流も良くなり頭もスッキリします。
寝不足で頭がボーッとしがちな時に片鼻呼吸を行い、頭をスッキリさせてから出かける様にしましょう。
2.集中力が高まる
片鼻呼吸は左右交互の呼吸を行う為、集中力を必要とします。
片鼻呼吸始めたばかりで慣れない時は左右の呼吸のバランスが取りにくく、集中力も散漫になり、交感神経が優位になりぎちに。
吐く息は副交感神経が優位になります。
呼吸のバランスがつかみにくい時は吐く息を少し長めに行ってみましょう。
3.リラックス効果
深い呼吸はリラックス感を高めてくれる副交感神経を優位にし、緊張感や、高ぶっている気持ちを落ち着かせてくれます。
吸う息より吐く息を長くする事がポイント。
吐く息を長めにする事で、更にリラックス効果が期待出来ます。
4.睡眠の質の向上
睡眠の質の向上には、自律神経の安定が欠かせません。
片鼻呼吸を行うことで日中に優位なアクティブ系の交感神経、夜間に優位なリラックス系の副交感神経のバランスが整います。
特にオススメなのが、就寝前の片鼻呼吸です。
夜の方鼻呼吸は吐く息を少し長めに行うと、さらにリラックス感が増し、快適な眠りにつなげてくれるでしょう
5.鼻づまり改善
鼻づまりといえばよく耳にするのは「左の鼻」。
左の鼻は副交感神経につながり、左がよく詰まって しまうという方は体が緊張しすぎている可能性が…。
片鼻呼吸は、鼻づまりの改善を促す効果があると言われています。
毎日の片鼻呼吸のルーティンの中で左がよく詰まる方は、 左の鼻呼吸を2回、右を1回、というように左の回数を増やしてみましょう。
あまりに酷い鼻づまりの時はやめておく方が良いですが、多少のつまりであれば、呼吸を数分継続していくと鼻づまりが解消されている事が多いですよ。
片鼻呼吸のやり方
片鼻呼吸は、ヨガの本格的な呼吸法の1つ。
右は「陽」の気道、左は「陰」の気道、それぞれの気の流れを意識しながら呼吸を行い、体内のエネルギーが満ちていくのを感じていきましょう。
この章では呼吸のやり方、コツ、注意点を紹介していきます。
呼吸のやり方
- 安楽座で座り(楽な座方であればどの座法でもOK)骨盤を立てて、左手の手の甲左膝の上に乗せて背筋を伸ばしていきます。
- 右手の親指を右の鼻の上に、薬指を左の鼻におき、人差し指と中指は 眉の間に添えて行きます。
- 右の鼻を親指で押しながら左の鼻で息を吸い入れていき、吸いきってから薬指で左の鼻の穴を閉じ、親指を離して右の鼻から息を吐いて行きます。
- 右の鼻で息を吐いてから親指で右の鼻で息を吸い入れて親指で鼻を塞いでから薬指を離し息を吐き切って行きます。
- この呼吸を10セットを目安に繰り返して行きます 。
呼吸のコツ
- 呼吸は7セットから12セットを目安に。
- 吐く息と吸う息の長さは1対1を目安にし、呼吸になれたら呼吸の割合をキープしながら息の長さを伸ばしていきます 。
- 呼吸に集中をしやすいように目は閉じておきます。
- 集中力を高める為、呼吸法を行う時は出来るだけ静かな環境で行いましょう。
- 初心者で呼吸に慣れない時は、音声や動画サイトを視聴しながら練習することをオススメします。
呼吸を行う際の注意点
- 度合いにもよりますが、鼻の通りがあまりに悪い時は無理をすると交感神経が優位になりすぎてしまう可能性も。 鼻の調子が悪い時はやめておきましょう。
- 「脳卒中の既往歴がある人」は、呼吸を無理することで血圧が急上昇する可能性があります。脳卒中の既往歴がある方は注意が必要です。
- 「高血圧の人」も注意点があります。血圧の数値は日常生活の何気ない動きに左右されます。先程お伝えしたように無理な呼吸は血圧の急上昇を引き起こす可能性もあるので注意してください。
- 片鼻呼吸は首から上の血流が非常に良くなる為、頭部、目にも影響が出る可能性がありますので、「緑内障など目に病がある人」は注意が必要です。眼圧に異常のある人はかかりつけ医に相談をしてから行いましょう。
- 「妊娠、生理中の方」も、例えば妊娠中は血圧も高くなりがちですし、 生理中の片鼻呼吸は血流が多くなることで貧血になってしまう可能性があります。妊婦の方はかかりつけ医に相談してから行うようにしましょう。また生理中の方は、その日の体調を確認しながら行うようにしましょう。
まとめ
ヨガには多くの呼吸が存在し、その中でも片鼻呼吸はヨガの本格的な呼吸法であるにも関わらず、初心者でもトライしやすく、継続しやすいと言われています。
片鼻呼吸には広いスペースや道具は必要なく、座位の姿勢を取れるスペースがあれば行うことが可能です。
呼吸の正しいやり方をしっかりマスターし、毎日のヨガのルーティンに片鼻呼吸を取り入れてみましょう。
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