ラクダのポーズは、体を大きく後ろに反らして行う後屈系のポーズです。
私達は体を前に倒す事はあっても後方に反らすという事はあまりしません。
その為、この様に非日常的な動きが入るラクダのポーズに対して苦手意識がある方も多いです。
「首や腰が痛くてうまく後ろに体を倒せない」
「反るのが少し怖い」
この記事は、そのような悩みを持つヨガ初心者さん向けに、「やり方」と「攻略のためのコツ」を、バリエーションポーズやヒントたっぷりで紹介します。
ラクダのポーズは難しそうに見えますが、段階を踏み、コツを掴めば必ず攻略できます。
美しくしなやかなブリッジをイメージしながら、1つずつ解決していきましょう。
ラクダのポーズの効果は?毎日行うと驚きの効果あり?
ラクダのポーズはサンスクリット語で「ウシュトラ・アーサナ」と言います。
体を反る後屈ポーズですが、その後屈系ポーズの中でも完成系は難度が高いものになります。
しかし、難度の高いラクダのポーズですが、ポーズを行う事で得られる効果は驚く程沢山あります。
ここでは、その素晴らしい効果を8つ紹介していきます。
- 猫背の改善
- 基礎代謝の向上
- 肩こり解消
- 腰背部の引き締め
- ヒップアップ
- バストアップ
- 自律神経の調整
- ほうれい線の改善
順番に確認していきましょう。
1.猫背の改善
ラクダのポーズの効果と言えば猫背、姿勢の改善です。
猫背の方が円背姿勢という状態に対してラクダのポーズはその逆、背骨を反らすという動作を行う為、猫背改善に繋がっていきます。
ただ、円背姿勢がキツめの方はいきなり完成形を行うのではなく、軽減法から行う様にしましょう。
2.基礎代謝の向上
両膝で下半身を安定させる事、そして、背骨を大きく反らすという事は体の外側の大筋群は勿論、体の内側、普段あまり使用しないインナーマッスルにも刺激を入れてくれます。
未使用部位が動くということは基礎代謝アップはもちろん、ダイエット効果も期待できます。
3.肩こり解消
肩こりの主な原因は首、肩周辺の血行不良。
その肩こり解消のために動かすと効果的な部位は、背中の肩甲骨です。
ラクダのポーズには体を反らすことで肩甲骨を内転させる動きが入る為、首、肩周辺の血流がアップしていきます。
腰を反らすのではなく、上背部を反らし、肩甲骨を寄せる事を意識しましょう。
4.腰背部の引き締め
体を大きく反らす事で体の前面は伸ばされ、逆側の背面は収縮し、背中、腰部周辺がグッと引き締まっていきます。
背面は普段から意外とたるみがち。
腰背部を鍛える事で、「後ろ姿美人」を目指しましょう。
5.ヒップアップ
大きな反りは、背面全体を刺激します。背中、ハムストリング、その中には大臀筋も。
お尻の位置が下がって気にならない人はいないですよね。
ラクダのポーズはヒップアップの効果もあり、女性にオススメのポーズの1つでもあります。
6.バストアップ
背骨を大きく反らす事で、呼吸する時に働く胸郭(胸骨、肋骨、胸椎)が広がっていきます。
その結果、開いている肩甲骨が内側に入る為バストアップに繋がる形に。
女性必見です。
7.自律神経の調整
ラクダのポーズは肺を内側に含む胸郭が広がるため、呼吸がしやすくなり、多くの酸素を体内に取り入れる事が出来ます。
自律神経のバランスを整えるには「深い呼吸」がポイント。
ヨガを行う事で得られる深い呼吸と胸郭の広がりは、自律神経の調整に欠かせません。
日々多忙で、ストレスにさらされている現代の人達にオススメです。
8. ほうれい線の改善
首や肩周辺の血流が悪いと、顔のほうれい線が目立ちがちに。
ラクダのポーズは体を大きく反らす事で、背中の大きな筋肉に刺激が入るため、首や肩周辺の血流を促進し、ほうれい線の改善にも繋がっていくと言われています。
さて、この様ように素晴らしい効果を多く持つラクダのポーズも、間違ったフォームで行うと効果も半減するどころか、元々腰痛を持っている人は悪化させてしまったり、怪我をしてしまう事も考えられます。
ヨガのポーズに限らず、どのスポーツでも共通する事ですが、やはり正しいフォームで行うということが重要になってきます。
次の章では正しいポーズのやり方を見ていきましょう。
ラクダのポーズやり方
体の背面を大きく反らす事で胸郭を大きく開き、首、喉の周辺も気持ちよく伸びていくポーズです。
このポーズは難易度が少し高めの為、決して無理をせず、その日の体調に合わせながら行うようにしましょう。
ポーズのやり方
- 正座の状態から膝立ちになり、両膝を腰の幅に開きます。
- 両手を腰に当てて、足の付け根(鼠径部)を前に突き出していきます。
- 息を吸い入れて、吐きながら顎を上に向けて、両胸を開きながら体を弓のように反らしていきます。
- ゆっくりと反りを深めながらかかとに両手を伸ばして行き、 手のひらが足裏に付くようにしていきます。
- ポーズをキープしたら、 数回呼吸を行い、吸う息で体をゆっくりと起こし、正座のポジションに戻っていきます。
ポーズのコツと注意点
- 軸になる膝のポジションが悪いとポーズが安定しません。両膝にバランスよく体重を乗せ、まずは土台となる膝、下肢の安定をしっかり行うようにしましょう。
- おへそを上に引き上げながら反りを深め、太もも前と、脚の付け根の腸腰筋を伸ばして、腰を安定させる事も大きなポイントです。
- ラクダのポーズは背骨、腰へのストレスが非常に大きいポーズです。腰を反らすのではなく、胸を開くイメージで背骨を反らしていきましょう。
- 完成形に近づいたら肩甲骨を意識して内転させてみましょう。肩甲骨が外転した状態ではポーズは完成しません。肩甲骨を内転させる事で美しい背骨のブリッジが生まれます。
軽減法
- 腰痛の方は両手を腰に置き、腰の様子を見ながら背骨を反らすようにしましょう。
- 足の指先を立てて行うことで腰のストレスを軽減できます。
- ヨガブロックを手の下に置くサポート方法もあります。ブロックを置く事で、背骨や腰へのストレスがかなり軽減されます。腰や首に不安がある時はツールを積極的に使用しましょう。
- 体が硬い方は、両手ではなく、片手を踵に、もう一本の手は後方に上げていくという方法もあります。
ラクダのポーズバリエーション
初心者の方や、ポーズに不安がある方は、 ラクダのポーズに比べると難度、強度、ともに少し控えめなバリエーションポーズから始めてみてはどうでしょう?
バリエーションポーズの練習を通して背骨を大きく反らす、という事を体に少しずつ覚えさせてから本番のラクダのポーズを攻略してみましょう。
バッタのポーズ(シャラバ・アーサナ)
- うつ伏せになり、両足を伸ばし、その足の甲を床につけます。
- 両手は体側に置き、手の甲を床に置きます。
- 両腕、両足、ともに指の先までピンと伸ばし、両胸を大きく開いて行きます。
- 一呼吸吐いて、吸う息で頭と胸と脚を床から離していき、腕も引き上げ、両手の指先を遠くに保ちます。
- ポーズをキープし、数回呼吸を繰り返していき、一呼吸吸い入れて、吐きながら両手両足を下ろして元のポジションに戻ります。
腰や首にストレスを感じたり、強度を調整したい場合は、握りこぶしを両手で作り、その握りこぶしを両足の付け根(鼠径部)にセットします。そして、おでこをつけたまま両足を上げる軽減法を行うようにしましょう。
コブラのポーズ(ブジャンガ・アーサナ)
- うつ伏せの状態から両足を揃えます。
- 両脇をしめ、両肘を曲げて、手のひらを肩の下に置きます。
- 息を吐いて、吸う息で両ひじを伸ばしながら上半身を起こしていきます。
- 顎を上に向けながら喉を伸ばして首を長く保ちます。
- 一呼吸吸い入れて、吐きながら上半身を緩めて元のポジションに戻していきます。
反りがきつく感じる場合は、肩の下に両肘を付いて行う、スフィンクスポーズから始めてみましょう。
まとめ
どのようなポーズにも共通しますが、体の硬い人やヨガ初心者の方は、ほぐしや練習ポーズを怠ると完成形にはなかなかたどり着く事は出来ません。
段階を踏みながらポーズを攻略していきましょう。
いいことづくめのラクダのポーズを、是非皆さんのヨガのルーティンに加えてみて下さいね。
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